発達障害に造詣が深い小児科医の存在

小児科医とは乳幼児から15歳までの子どもの病気を診察する。心臓外科、脳外科などと異なり、子どもの病気全般を診る。

はしかや手足口病のような、子どもがかかりやすい感染症についても深い知識が求められる。また、発達障害のように、先天性の障害で乳幼児期に発見できるとその後の社会生活が安定する障害もあるので、子どもを的確に観察できる眼力も必要だ。

子どもは大人と違って病状を詳しく説明できないため、保護者の説明や本人のしぐさから洞察していくことになる。薬の処方も、子どもの体重や薬の好みを勘案して決めていく。

発達障害についてはマスコミで取り上げられる機会が増え、早期発見から早期の療育が当事者の成長とその後の社会生活の質を大きく左右することが知られている。

その意味では、小児科医が診察時にその兆候を発見することもある。例えば、年齢相応の発達段階にどうも達していない振る舞いがあった場合、許容範囲なのか、それを逸脱しているのかを見極めた上で保護者に助言することもある。

保護者もこの手の情報に敏感になっているだろう。小学校1年生で病院の待合室でじっとできず、うろうろしていたら気になるのが一般的な感覚に近い。

ただ、発達障害が疑われるケースでもどこにどう相談すればよいのかまで把握している保護者はそう多くない。小学校で特別支援教育が受けられた年代でも、発達障害で社会に出てから苦労する人が後を絶たないのはその証拠だろう。

小児科医の中には発達障害に造詣が深い人もいるので、気になる場合は診察時に聞いてみることをおすすめする。場合によっては、発達障害の専門医や支援者グループとつながることができるだろう。